井上尚弥、さらなる高みへ スーパーバンタム級挑戦編

井上vs.フルトン、両者戦力チャート比較 動かぬ井上の優位…唯一の不安材料は痛めた拳か

宮崎正博
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スーパーバンタム級挑戦はテストではない

井上尚弥がスーパーバンタム級転向後、初の戦いに挑む。相手は2団体統一王者のフルトンだ 【スポーツナビ】

 井上尚弥はすでに偉大なボクサーである。3階級制覇、4団体統一、世界戦では8連続KO勝利を含んでの19連勝17KO。無傷のまま達成したこの数字はパウンド・フォー・パウンド(体重同一時最強)の座を争うWBO世界ウェルター級チャンピオン、テレンス・クロフォード(アメリカ=3階級制覇、世界戦17戦全勝14KO)も上回る。
 この春でやっと30歳。ボクサーが全盛の力を残す時間が大幅に延びた現在では、旬の走りの頃合いに過ぎない。その段階で偉大なという表現を使えるほどの実績を残しているのだ。未体験ゾーンで4階級制覇をかける一戦だとしても、それが新たなテストだとも、もちろん冒険だとも思わない。井上の新しい第一歩とだけにすぎない。興味はこれまでとは違った環境で、さらにハイレベルなライバルを相手にどんな戦いを見せるのか。その一点に尽きる。

 井上は過去、ウェイトの壁に2度も挑んできた。そして、いずれも高い壁を軽々と跳ね越えてきた。
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著者プロフィール

山口県出身。少年期から熱烈なボクシングファンとなる。日本エディタースクールに学んだ後、1984年にベースボール・マガジン社入社、待望のボクシング・マガジン編集部に配属される。1996年にフリーに転じ、ボクシングはもとより、バドミントン、ボウリング、アイスホッケー、柔道などで人物中心の連載を持ったほか、野球、サッカー、格闘技、夏冬のオリンピック競技とさまざまスポーツ・ジャンルで取材、執筆。2005年、嘱託としてボクシング・マガジンに復帰。07年、編集長を経て再びフリーになる

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