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【ヤフオク!の安心・安全(第2回)】スパコンを活用したディープラーニングで偽物対策

みなさんにもっとヤフオク!を楽しんでいただくために、3回にわたってヤフオク!の安心安全への取り組みをご紹介する企画。 第2回となる今回は、Yahoo! JAPANが開発したスーパーコンピュータ「kukai」(クウカイ)を活用した「偽造品対策」についてご紹介します。

 

  

そもそも"スパコン"って?

スパコンとはスーパーコンピュータ(以後スパコン)の略で、一般のコンピュータに比べて、桁違いに計算速度が速いコンピュータのことを指し、その開発には時に国家単位のプロジェクトとして取り組まれることもある程です。

「京」というスパコンが有名ですが、「京」はわずか1秒で1京回の計算を完了してしまうと言われています。
1京は、10の16乗なので、10,000,000,000,000,000回の計算が1秒の間でできてしまいます!

計算といっても「△△のとき○○があった場合どうなるか」といったシミュレーションが特に得意で、本来ならたくさんの実験をしなくては得られない情報も、実際に実験をするよりも簡単に得ることができます。

Yahoo! JAPANが開発したディープラーニング活用に特化したスパコン「kukai」とは?

そもそもなぜ一企業であるYahoo! JAPANがスパコンを開発したのでしょうか。

Yahoo! JAPANは、ヤフオク!以外にも、「Yahoo!検索」「Yahoo!ニュース」「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!ウォレット」など国内有数のメディア・コマース・金融サービスを運営する裏側で、幅広い種類の膨大なデータ(ビッグデータ)を蓄積しています。

ビッグデータというのは文字通り、人間が手作業で解析するのは到底無理なデータ量です。
Yahoo! JAPANはその膨大なデータを最大限に活用するために、「kukai」(クウカイ)というスパコンを開発しました。

2017年6月に発表された「kukai」ですが、自社初のスパコンにもかかわらず、スパコンの省エネランキング「GREEN500」で世界第2位を獲得するなど話題を呼びました。

また「kukai」は、従来の社内環境と比較して、演算処理性能が理論上約225倍、消費電力あたりの処理性能も世界トップクラスの値を記録していて(2017年6月時点)、大規模なディープラーニング処理を短時間かつ低コストに行うことを可能にしています。※1

このように高性能な「kukai」があることによって、AI(人工知能)を作ったり、そのAIにディープラーニング(膨大なデータから学習すること)させたり、効率よくビッグデータを活かすことができます。
結果として、「kukai」はさまざまなYahoo! JAPANサービスの利便性向上に一役買っているというわけです。

どうやって「kukai」で偽造品検知をする?

ヤフオク!では偽造品出品を売り場から無くすために、「kukai」を活用して「偽物出品検知AI」を開発しました。
実際に偽造品を検知するのは、この「偽物出品検知AI」です。

「偽物出品検知AI 」は、ヤフオク!の過去1000万件以上の取引データから学習した情報を元に、出品完了後からわずか数秒以内に、出品物が偽造品である確率を判定することができます!

ヤフオク!ではこれまでも人手によるパトロールを24時間365日で行っていましたが、「偽物出品検知AI」の判定に基づいて優先的に削除検討をすることで、偽造品出品の削除率が上昇し、削除までの時間も短縮されるといった効果が得られました。

また、実際の出品情報50万件を用いて「偽物出品検知AI」による判定を行ったところ、従来の機械学習を用いた不正出品検知システムと比較して、検知精度も約3.1倍に向上しています!

あらゆる取り組みを通じて偽物出品を最小限に

ヤフオク!では、これまでもパトロール、権利者や権利者団体との協力、お客様からいただく違反商品の申告など、偽造品出品への対策に取り組んできました。

今回ご紹介した「kukai」の活用という新たな取り組みをはじめとして、より多角的に偽造品出品への対策を行うことで得られた成果を2つご紹介します。

<お客様からの違反申告数>
ヤフオク!では、ガイドライン違反の疑いがある商品に対してお客様が申告できるよう「違反商品の申告」という申告フォームをすべての商品に設置しています。
当社が重点的に対策をすべきカテゴリを定めて偽造品対策を行った結果、該当のカテゴリにおいてお客様からいただく違反商品の申告数が10分の1まで減少しました。(※2)

<インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会(CIPP)の調査結果>
2005年、Yahoo! JAPANは幹事会社として、インターネット事業者および権利者や権利者団体と協力し、業界全体で侵害品の流通防止を目的として、インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会(CIPP)を設立しました。

2017年度のCIPPの報告書によると、ネットオークションにおける著作権侵害品の出品現率が0.07%、商標権侵害品の出品現率が0.09%と報告されており、低い水準で維持できていることがわかります。(※3)

ヤフオク!が取り組む偽造品対策、いかがでしたでしょうか。 これからもヤフオク!ではお客様に安心してお買い物をお楽しみいただけるよう取り組んでまいります!
※1 Yahoo! JAPAN、ディープラーニングに特化したスパコンを開発 スパコンの省エネランキング「GREEN500」にて世界第2位を獲得 ※2 当社調査で重点対策カテゴリ(ファッション、時計)内の一部カテゴリに、2018年の1年間で、申告数が最大値と最小値との比較
※3 2017年度CIPPの報告より抜粋

あとがき:今回、ご紹介した「kukai」を活用した偽造品対策の様に、ディープラーニングによって正確で効率的な判断を実現させる技術や手法が世の中で、活用されているというのはワクワクしますよね。ヤフオク!でも新しい技術を積極的に取り入れて、より安全でワクワクする売り場になる様に取り組んでまいります。(ササキ)

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